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Re番外編「cathexis」更新

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Restructure番外編「cathexis(カセクシス)」更新しました。
やっとできました!!!
そしてラヴァンの小話もアップしようと思って忘れてた!!!()
あと地味にReページを綺麗にしました。タイトルが見やすくなりました。
ちなみに↑この絵の背後。
ブリジッテは「民衆を導く自由の女神」、ノストさんは「ラス・メニーナス」の絵画をはめ込んでます。
(一応どちらもパブリックドメインのはずなので使っていいはず…)
前者は毅然とした感じがブリジッテっぽい、
後者はミステリアスな感じがノストさんっぽい、あと解釈では栄光云々とか
あとブリジッテの背後にノストさんの写真()があるけど、
「自分の鏡」「剣の誇りで生きた姿」みたいな意味合いで置いている。
あと以下、この小説のメイキングもどき・番外編小話・あとがき?を書きます。長いです。


目次。クリックで該当の場所に飛びます。
メイキング
今回気をつけたこと
小話
あとがき
【メイキング】
小説のメイキングってみたことないな、って思ったので、
これを執筆しながら、普段どんなことを考えて小説を書いているかメモしていきました。
ざっくりとまとめてあります。時系列順。
1.妄想から
初対面はどうだったんだろう、という妄想から始まる。
ブリジッテとノストさんのファーストコンタクトって想像したこともないし語ってもいないし、自分が気になるなあと言うところから。
1.5.書き始める
何も考えずにお見合いする想定で書き始めるが、数行書いて面白くないと再考。
我の強いブリジッテがすぐ相手に落ちるとも思えず、またノストさんも果たしてノリ気だろうかという自問自答。
やっぱ考えなきゃダメだな。
2.ちゃんとあらすじを考える
やっぱこいつらは戦うしかない。決闘しかない。本編でも久しぶりにあって手合わせしてるし。
そういえばフェルシエラには編成試合というちょうどいい設定があった。上手く使おう。
一度負けていて再戦を願う感じがよさそう。方向性は決まる。
※この時点では手合わせで負けて再戦するために彼を探している、というところまでしか決まっていない。
テーマは、恋と誇りの話。
3.ちゃんと書き始める
頭から書き始めるが、やりとりが少ないことが気になり始める。
ブリジッテ一人だと、地の文ばかりで説明文も多くなるし、テンポが悪い。
会話ができるようにキャラを増やそう。弟属性がいないので弟増やそう。
軽率に生まれる新キャラ・クロイツ。お調子者がいいかな。
ついでに時期がちょうどいいし、シャルロットを出そう。
(本編のシャルロット登場部分を読み直して、雰囲気を確認する)
4.あらすじがほぼ決まる
脳汁が出まくって、布団の中で最後までのあらすじが全部浮かぶ。
※暗躍する貴族の事件に巻き込まれて、そこでノストに再会、決闘というあらすじ。
シャルロットは神官だし、警備してるから事件に絡みやすいな。最終的に場を収めるのは彼女にしよう。
最初は1話完結くらいにするつもりがめっちゃ伸びる。でも楽しいからよし。
5.細かな設定を詰めていく
問題は暗躍する貴族の策略。
カルタスの策略について、2日程度しつこく計算する。
「確実に黒なのに捕まえられない計算高い貴族」という設定で考える。
しかしこれでは尺的にカルタスの方が目立つ上、
子供に論破させることができないので、結局ラスタが幕を引かなければならない。
それだと「ブリジッテとノストの出会い話」という最初の趣旨からずれている気がする。
だんだんこれは要るのか?と思い始め、2日分の考えをバッサリ捨てることにした。
最初のあっさりした流れに戻って書くことにする。
6.ひたすら書く
7.クロイツが助けに来るシーンについて再考
クロイツの立ち位置が迷走していないか?と再検討。
このシーンでは、4パターンくらい作った。
ブリジッテがそのまま捕まる、クロイツも一緒に捕まる、クロイツの助けが成功する、クロイツが来るけど助けられないの4種。
1つ目…クロイツは序盤の流れの牽引と、最後にご都合的に顔を見せるだけ。出番がほぼない。
2つ目…ノストさんの出番を差し込めない。姉弟の脱出劇見たいけど、それは困る。
3つ目…クロイツが目立ちすぎる。というかその後の流れが破綻する。
4つ目…採用。クロイツとブリジッテの共闘感、二人の違い、クロイツ視点の謎埋め、その後の流れもスムーズではないかということで。
8.暗躍貴族について
カルタスを仲が良かった設定にしよう。
※実はカルタスは、最初はブリジッテと接点のない設定の貴族だった。
現れた黒幕が「誰?」ってのもなんだかなと思い、仲が良かった設定に変更。
序盤まで戻って試合開始直前に登場シーンまで作った。
彼をアンチ誇りとして出すことによって、ブリジッテに誇りとはなんぞやと語らせることができる。
9.カルタス逮捕後にブリジッテに声をかける人物
実は最初は母イレーネだった。
最後、本編時間軸のシーンでクロイツが出るのは最初から決めていたので、かぶらないか?と思い母にしていた。
でもせっかくだからクロイツの出番もほしいし、
クロイツからもカルタスについて何かコメントをしてほしかったので、クロイツに変更。
10.書き切る
ひえ~書いた書いた!満足!
11.一週間寝かせて推敲する
書き終えたら一週間、一切見ない。脳内で「あ~あそこああすればよかったかな」とかはする。
推敲の際は、誤字脱字はじめ、日本語がおかしくないか確認する。
12.アップ直前に気になる
ほんとはあんまこの時点で修正を加えたくないが、今回はこうだった。
カルタスは、彼なりに一応街を案じてこうした方がいいと思って、例の行動に至ったのだが、
それが十分に書ききれていないと感じた。
ただの悪役感がすごかったので、対峙しているときのセリフを少し追加修正した。
メイキング…?って感じですが以上です。
【今回気をつけたこと】
いくつかあります。
1.何も知らなくても読めるようにした
努力目標というか…自分ではそうなってるかわかりません(
でも、Re本編を知らなくても、この番外編だけで成立するように、
ひとつひとつに説明を入れたり、今回の話に関係ないことは極力出さないようにしました。
2.説明が多いので分割した。
1番とやや重複しますが。
特に序盤、フェルシエラの構造、ラウマケール、編成試合、手合わせ、ラフラッテ伯爵家、ノストのこと、説明することが多くて、私自身てんやわんやしました…
ここにさらにシャルロット嬢のことを盛ると、情報過多もいいところだったので、
今回、彼女のことはほぼ説明なしです。(後述しています
ちなみに、カタカナ語が多いと混乱を招きそうなので、
極力「フェルシエラ」という言葉は使わないようにしました。「この街」とかぼかしています。
3.なるべく喋らせる。
ボーッとしてると地の文で書いてしまうところを、キャラが説明できそうなら喋ってもらってました。
その方が読みやすいし、注意も引きやすいかなと。
でももっと喋らせてよかったなと反省。
4.クロイツについて
やっぱ作りたてほやほやだし好きなので、クロイツの出番がほしいわけです。
でもあくまでこの物語は「ブリジッテとノストさんの出会い話」であって、
彼はこの話の中ではサブキャラです。
番外編「rapportⅡ」みたいに最初からラヴァンの物語、みたいな感じだったらそれでいいんですけどね。
最後の本編時間軸シーン、もうちょいクロイツについて書いてたんですが、
最後の最後でクロイツについて書いてるのアレだな~と思ってさっくり削りました。
大人クロイツは嫌味臭くない美青年で、いっつも女子ギャラリー連れて歩いてて、
本人も気さくに対応してるけど、たまに一人で息抜きしてるみたいなよくできたお調子者の青年…
ってのを書いてました。いつか漫画とかでいいから書きたいなあ…
【小話】
1.シャルロット嬢について
今回は情報量が増えると大変だなと思って、極力、一介の神官みたいに書いたけど、彼女はデルフィーニ伯爵家の息女。
この家は神官と街の司教を務める大貴族で、ブリジッテの家と同じく、ラウマケールに名前を連ねる一家です。
(編成試合前は第三位で、試合後は第五位になったとかいう、どうでもいい裏設定)
だから、年上のカルタス相手に結構フランクに話しています。立場が上なので。
本編では、4章初登場でマオ山脈に巣食って山賊のお頭をやってる彼女ですが、
18歳のこの番外編では、まだ家出せずに神官やってましたよっていう。
そんな一面が書けてよかったです。
2.ミドルネームについて
Reキャラにはミドルネームがあることが多々ありますが、実は4種類あります。
(やや本編読んでる人向け)
① ファーストネームからミドルネームまでが名前
ノストさん、ラスタパパが該当。

ディアノスト=ハーメル=レミエッタ
ラスタ=アラン=レミエッタ

「ディアノスト=ハーメル」までで一つの名前で、混沌神語で<永久の栄光>という意味を与えられている(本編に既出)
ちなみに「ラスタ=アラン」は<高潔なる域>
② ミドルネームはニックネーム
ラヴァンとミオネ、マリティアママ、キールさん、ルナさんが該当。

ラヴァン=フローテ=ニーベルヘック
ミオネ=リンリ=ニーベルヘック
マリティア=エルザ=ニーベルヘック
キール=グライド=ヴェンディン
ルナ=B(ベルシア)=ゾーク

ニーベルヘック家は、それぞれミドルネームが違いますが、先祖やらの名前を継いでいる裏設定。
③ ミドルネームからファミリーネームまでが苗字
今回の番外編の主人公ブリジッテと、弟クロイツ、あとイソナが該当。

ブリジレスカ=ケティ=ラフラッテ
クロイツェル=ケティ=ラフラッテ
イソナ=ファリ=メルティ

「ケティ」ってのは初代ラフラッテ伯爵の名前のつもりなので、「ケティ=ラフラッテ」で使われ始めたのは2代目からとか裏設定。
④ 階級名
フィレイアとアルトミセア、あとユニスが該当。

フィレイア=ロルカ=ルオフシル
アルトミセア=イデア=ルオフシル
ユニス・ラオ=フェンゼデルト

「ルオフシル」というのがグレイヴ教団教皇に就任した者が名前の末尾につける階級名。混沌神語で<監視者>の意味を持つ。
「フェンゼデルト」は砂漠の国レンテルッケ公認の拳法士がつける冠位名。向こうの言語で<拳を以って護る者>
3. 9割スマホで書いた
マジです。
事の発端は、仕事の休憩時間が微妙に余るので、何か有効活用したいというところから。
Googleドキュメントとかでクラウド管理できるし、
スマホで書いて続きをPCでとかできるのでは?と思い、試しに実行しました。
打つの大変じゃないかとか、思考にタイピングがついてこないのではと思ってましたが、
おもったより気にならないですね。難しい漢字がPCと違って変換に出なかったりするけど。
結果、9割がたスマホで書きました。
PCも毎日起動してるんですが、PC起動すると絵を描いてしまうのよね。()
スマホだと、さっと出してちょっとした空き時間にちまちま書けるから、何だかんだよかったです。
でも、Googleドキュメントだと保存概念が薄いので、
間違って文章を全選択して消去した時は、一瞬頭が真っ白になりました。
落ち着いて「元に戻す」しましたけど…w
【あとがき】
今回、「誇りとは、その価値とは」という視点で話が書けたのでよかったです。
「誇りを持っているからこそ、この街の頂点なのよ!」
ブリジッテはこう言っていますが、一方で、「rapportⅡ」では、
「誇りなんか、なくたって生きていける」ってラヴァンは豪語しています。
フェルシエラ貴族とイクスキュリア貴族の対比が書けたようで楽しかったです。
ちなみに「rapportⅡ」の副題はPride(誇り)、今回の「cathexis」の副題は「Proud(誇りに思う)」です。
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↑本編3年前、フェルシエラを出る前の二人。
で、敵意すごいブリジッテと毒舌王子気取ってるノストさんが一体どうなって、
本編の押せ押せブリジッテと勘弁してくれノストさんになるかって言うと、
ノストさんの何だかんだ優しいところにブリジッテさんがほだされてああなるってのが作者的な想像ではあります。
それは漫画とかで補足として描けたらいいなって思っている。
本編にてフェルシエラを出るまでの間、
ノストさんにとってブリジッテさんは唯一対等で、
そういう意味でも気を許せる相手だったと思うんですよね。
あの人、友だちいないので。
フェルシエラというとても狭い世界で、唯一の。
でも、街を出て事情が事情でフェルシエラに帰ることもできなくなった時、
彼にとって、それらはすべて過去のものになってしまったんだと思います。
フェルシエラという地は、自分の過去の栄光。
ステラが出会ったノストさんは、すでにレミエッタ公爵家の人間ではなかったのでしょう。

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