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ミラクルデイズ(切れ端)

メモ

ミラクルメモ

名波は、幼い頃に両親が離婚しており、母が女手一つで育ててくれた。弱音やわがままを言えない(と思い込んでる)環境で育ったため、自分のことは後回しにしがち。しっかりしすぎとも言う。
一方、景は父がエリートで厳しくて高校までめちゃくちゃ勉強してきたけど、父の言いなりになるのが嫌だなと思って大学はただの反抗心で自分で選んだ。
だがずっと勉強一筋だったので、新しい友達を作るのが苦手なことがわかる。新しい環境で困って、とりあえず道化になって人気者になる。頭が良いからこうすれば人が喜ぶっていうのがわかる空気読み。
ふたりとも他人の顔色を窺っていて、だからお互いになんとなく何を考えているのかわかって、何気なく名波が声をかけた…のが↑のシーン。

 

▼樋口 笑(ひぐち えみ)
ここで言ってる「ゆずさん誰のことも信じられないんだなって。笑も昔そうだったことあるから。今もかも…」は、文字通りなんですが。
笑ちゃんは中学生の時ピエロを演じていました。誰からも好かれるように振る舞っていた。要は昔の景と同じってこと。
高校生になって知己がいなくなったので、新しい友人関係の中で少しずつ変わろうとしている。明るくて楽しいところはそのままに、好きなものは好き、苦手なものは苦手って言ったり。空気を読んで笑い者になる子から、天真爛漫で猫みたいな子になった。自己肯定感も上がったおかげで、友人たちを信じられるようになった。
で、ゆずが空気を読んで完全無欠の優等生を演じているのは感じてたから、息苦しそうだし気になって構っていた。

▼コンセプトというかテーマの話
メモ書きが出てきたので貼っときます。

自殺組。死んでる二人。
存在自体が死んでる純粋な青年。
幸せな記憶だけしか持っていない。愛だけを指針に生きている。
心が死んでる他人不信の少女。
自分自身を殺し、愛を拒絶していた。心が死んだまま生きている。
愛を知らない少女と、愛しか知らない青年の話。

 

話が膨らむきっかけになったのはメモに書いてたこのセリフ。全然意味合いは変わったけど。
「あたしの奇跡を、あなたに全部あげる」

 

▼景の心境変化

2話までは、景には「名波を呼び戻す」という目的があって、それが指針であり存在理由だった。
たとえ己が何者でなくなっても、それがあったから自分を保っていられた。
あと、ゆずがそばに居て、何だかんだ心の救いになってたんだと思う。

3話でついに景は名波を呼び戻した。ゆずが居らず、存在さえ消えた世界で。
景は名波といて幸せだけど、そこでやっと自分の空虚さに気付いてしまう。
何者でもない自分。存在しない人間。一番最初に望んだはずの世界に苦しむことになる。
名波は記憶があったころの景は知っているけど、何者でもない空虚な景のことを知っているのは、ゆずただ一人。

名波はあの頃と変わらないけれど、景はあまりに変わってしまった。
幸せだけど、自分の足場はすでにないもの同然。
世界から外れてしまった異端者。存在を否定され続けるであろう死人。
3話の世界にとって、景は、亡霊だ。

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