reincarnate

reincarnate

 あの後、私たちはその日のうちに旅立った。

 

 特に何の目的もない旅。
 気の向くまま、足が向かう方へ、この国を、世界を見て回る。
 そのあとのことは、まだ考えてない。
 だって、まだまだあなたと見たい景色があるから。
 あなたと過ごしたいから。
 世界を再構築した神様が抱いていたのは、たぶん、そんなささやかな願い。

 

 

 

 ……そう、それは「私」の願い。
 アテルト=ステラという、いかめしい本名の私は、人が言うには神様らしいんだけど……。

  私は、目の前を見た。
 焚き火に木の枝をくべているノストさんがいる。火の傍には、細い枝に刺された川魚。少し前から食べごろらしく、いい香りがしている。
 ……全部、ノストさんが用意したものだ。まず川近くの地面が剥き出しになっている場所を見つけ、いつの間にか集めていた木の枝の束で焚き火を作った後、おもむろに川に入って木の枝で魚を一突き。私が唖然としている間にすべてが用意されていた。
 ぱちぱちと、木が爆ぜる音が響く。
 私は、おずおすと手を上げて、やっっっと声を出した。
「あ、あの〜………………私も何か手伝いま……」
「遅ぇよ」
「ですよね!!」
 置いていかれすぎて、3周遅れくらいの発言をしたらバッサリ切り捨てられた!こ、こんな予定じゃっ!
「馬鹿は理解力も千年遅れだな」
「た、確かに千年越しにいろいろ理解してますけど!ノストさんがさっさとやっちゃうので、ついていけなかったんです!」
「寝坊女がついてこられるわけねぇだろ」
「ね、寝坊女……!? なんか悲しい響きじゃないですか!? すごく寝癖とかついてそうですよね!?」
「その頭は寝癖か」
「こ、これはオシャレですーー!!」
 とか私を貶しながら、ノストさんはこんがり焼けたお魚さんを差し出してくれる。ね、寝坊女……事実だけどなんかもっと……寝ぼすけとか言い方がっ!
 受け取ったお魚さんにかぶりつくと、程よい塩加減と火の通り具合で、素材の味がよく活きていて……美味しい……!
 ノストさんは凝った料理はしないけど、とにかく加減が上手くて、どれをとっても敵う気がしない。もっと極めたら、世界一の料理人も夢じゃない!って言葉がすんなり納得できるくらいに。 

 ……ほんと、ノストさんってなんでも知ってて、なんでもできるんだ。
 行く先行く先の歴史や地名・地図に、来たことがないと言いつつ物凄く詳しいし、なんなら私が見つけた動植物にも詳しいし、狩猟も上手いし、こんなふうに夜営も料理も完璧。
 たまたま出会った旅芸人さんに押し付けられた楽器は全部弾くし、もちろん剣の腕も立って、誰にも遅れをとる気はしない。
 それから、昨日は町の教会の宿泊室に泊まったんだけど……アテルト教団の永久空位シャンティエとかいう立場のせいなのか、彼は教会なら何処でも通用するメダルを持っていて、あっさり部屋をもらった。……というか当然のように同室だったのはなんで?! すごく緊張したんだけど!? まぁ無理やりだから一室しかとれないのかな?贅沢言えないか!
 とにかくとにかく、ノストさんは本当にすごくて……私は思った。

 

 ノストさんって神様なんじゃ?って。
 ……神様のはずの私が!

 

「………………」
 私は自分の胸元を見た。そこに、彼と出会ってから増えたものがある。
 私の首からぶら下がる銀の鎖。その先で繊細な銀細工が、虹色に煌く透明な石を包み込んでいた。
 この石……この「人」は、もともとノストさんが身につけていたものだ。「お前が持ってろ」って一方的に渡されたんだけど……。
 昨夜、『彼女』が語ってくれたことを思い返した。 

———貴方が眠っていた千年間 ノストはずっと生きていた

———毎日飲み干すように ありとあらゆる本を読んで 限界になって寝入るのが常

———あの知識量は 彼の中に積み重なった千年の証なのよ 

 ……千年、という言葉は短い。
 眠っていた私には千年の体感もない。夜に寝て気が付いたら朝になってた、そんな感じ。
 でも、眠れない夜はとても長いのはわかる。そんな日は、時間を持て余して本を読み始めるんだ。
 そんな気持ちを、千年?
「……っ」
 ぞっとした。
 もし、たった一人で千年を過ごすことになったら。私は、正気を保っていられるのかな?
 ……ずっと一人。
 それを忘れるために、何も考えないように
 いつも何かを考えて、何かで埋めて、生きてきた。

 彼が万能なのは、千年生きた証。
 千年、私を待っていた証。

 ……でも、彼にだって、わからないことはある。
 私は覚えている。
 大聖堂の最奥、彼が過ごした部屋に置かれていた、未完成の絵画のことを。

 

「……あの、ノストさん!」
 勢い余って、私は焼き魚片手に立ち上がっていた。お魚さんを食べ終えたところのノストさんは顔を上げる。
 炎が揺れる彼の夜色の瞳を見つめて、私はとっさに言った。 

「一緒に星を見ませんか?!」 

 さらさら流れる川面に、私の声が跳ね返って響いた。……い、言う順番間違えたぁ~~!!

「…………はぁ?」
 間を置いて。ノストさんが少し呆れたような、唖然としたような顔をしたから、私も思わず目を丸くした。
 ……ノストさんの表情がまともに変わったところ、初めて見た。そういえば、彼はいつも真顔というか無表情で……千年も生きていると、驚くシーンなんてそんなにないんだろうな。
 私がいろいろすっ飛ばして言っちゃったから驚かせたと思うんだけど、結果的に良かったのかも……?いやでも、これじゃ伝わってないよ~!!
 いったん深呼吸してから、私は改めて言った。
「えっと……実は私、毎晩、星を見て過ごしてたんです。ノストさんと旅を始めてから見てないですけど……」
「人のせいにする程度の日課か」
「ち、違いますよっ!今はノストさんといて結構満足してて……い、いえなんでもないですっ!! 時間が上手くとれなくて!そ、それで久しぶりに星を見たくなったので、一緒にどうかな〜って……え、えへへ……」
 あんまり嘘は言ってないけど、なんだかノストさんの視線が痛くて、私は笑うしかなかった。えっと……適当なこと言ってるの、バレてる?
 ノストさんはややあってから、静かに立ち上がった。やった、付き合ってくれるみたい……!
 私が思わずにっこり笑顔になると、彼はこちらを一瞥して。
「慈悲だ」
「じ、慈悲って……まぁいいですけど!」
 慈悲って、あんたは神様かーい!神様は私なんですけど〜?! まぁノストさんは神様みたいだけども!
 お魚さんを頑張って食べ切った後、私たちは焚き火から少し離れた原っぱに移動した。
 ひんやりした草の上に寝転ぶと、夜空がぐっと近く見えた。
 きらきら輝く星々を見上げる。私がいつもしていたこと。今回はノストさんが隣にいて、なんだか嬉しい。 

 ……私は、あまりノストさんのことを知らない。
 どうして、千年生きようと思ったのか。
 どうして、シャンティエをやってるのか。
 どうして、「私」を待とうと思ったのか。
 ……でも、私が聞けるわけない。
 彼が待っていたのは「私」であって、今の私じゃない。
 だから昨日、ラルさんに相談したら、少しだけ教えてくれた。 

———貴方が彼だけを覚えていたように

———彼は貴方の存在だけを忘れてしまった

———いたはずなのに思い出せない そんな半端な状態で

  ……大聖堂で、彼が描いていた絵画がまさにそうだった。
 「私」の存在は知っていても、「私」がどんな顔だったか、どんな声だったか、多分彼は覚えていないんだろう。
 何度描こうとしても、取り戻せなかった記憶の空白。
 千年経っても彼が知り得なかった唯一は、「私」なんだ。
 ……まぁ私も、前の私のことを知らないけど!
 でも、なんというか……『だからこそ』。
 『今の私』のことを話そうと思ったんだ。 

「えっと……何の話をしようかな。あ、私が起きてからの話にしましょう!3ヶ月前にナシア=パントで倒れてたらしいんですけど……」
「返事も聞かずに勝手だな」
「うっ……」
 ノストさんにぼそりと切り込まれて言葉が詰まった。
 そ、そうだよね……勝手に話を進めすぎたかな?それに、悲しいけど今の私に興味ないかもしれないよね?無駄な話聞かされても時間の無駄だもんね!?
「……お前はいつも勝手だ」
 擦れるような声が、星のささやきの間に聞こえた気がした。
 振り向くと、綺麗な横顔が星を見たまま言った。
「続きは」
「えっ?」
 ……しばらく私は、ぽかんとしていた。
 き、聞いてくれるんだ……!よかった〜!! 実は聞きたかったのかも!?
 と思ったらすぐ顔に出ちゃって、私はにこにこ笑顔で続きを話し始めた。
 ハリマ村で3ヶ月過ごしたこと。アテル君っていう子に助けてもらったこと。彼とミリエちゃんにまた会いに行く約束をしてること。カノンさんと仲良くしてること、他にもたくさん。
 ノストさんからもいろんな話を聞いた。ノストさんがお父さん……ヒースさんの弟子だったと知ってびっくりしたり、私がそっくりなルナさんも弟子だったらしくて、さらにびっくりした。私、そういう部分は似なかったのかな〜!? 実は訓練したらかっこよく戦えたりしたり!? ……無理か!
 あと、カノンさんが言ってた教団所属の話し相手がノストさんだったことが判明した!ということは、私が大聖堂に乗り込んだ時、カノンさんは彼がここにいると知ってたわけで……私が聞かなかったのもあるけど、カノンさん、知らないフリが上手いッ……! 

「……お前は」
 ふと、ノストさんが口を開いた。
「お前は……なぜあの部屋に来た。『今のお前』に、旅に出る理由はねぇだろ」
 何処となく、突き放すような言い方のような気がした。私があの部屋に来たことを責めているようにも聞こえた。
 ……だから私は、あえて笑った。
「それはその……大聖堂を逃げ回ってたら迷子になっちゃって……倉庫があったので、暇潰しに見学して行こうかな〜と……」
 喋りながら、私はだんだん恥ずかしくなってきて声が小さくなった。正直に答えたけど、改めて言葉にすると凄く馬鹿っぽい……!私は子供かっ!!
 案の定、ノストさんがすかさず言った。
「迷子が余裕だな」
「い、いやいや帰れなくて困ってましたよっ!神様パワーをフルで使っちゃって物凄く疲れてましたし!! ちょっと休もうかなって!」
「倉庫で?」
「……そ、倉庫で!!」
 前のカノンさんのように切り返されて、私は意地になってそういうことにしておいた。
 ……とにかく。
 恐らくノストさんが聞きたかったのは、私がそのままハリマ村で暮らさなかった理由だ。確かに、仲良く村人として生活する未来もあったかもしれない。
 でも……神様だって聞かされて、素知らぬ顔で人に紛れて暮らすのは、なんだか隠し事してるみたいで居心地が悪いだろうな。だからきっと、私はやっぱり旅に出ていたと思う。
 何処か、私の居場所を探して。

 こほんと咳払いしてから、私は改めて答えた。
「私が大聖堂に行ったのは、アテルト教団なら何かを知ってるかもしれないって思ったからです。教団が、千年前に生きた人を探してるってことは、きっと千年前を知ってる人がいるってことじゃないですか。その人に会って、聞いてみたいことがあったんです」
 それが、私がここまできた理由だ。
 しかし『その人』であるはずのノストさんは、怪訝そうに眉を寄せた。
「……『千年前に生きた人を探している』?」
「え……?アテルト教団って、ルナさんを探してましたよね?」
 教団所属、しかも教皇のノストさんが知らないわけがないんじゃ……?それに千年前を知っている人は、貴方しかいないと思うんだけど!?
 少しの間があって、何か合点が言ったらしくノストさんは額に手を当てた。
「ナフラの仕業……いやもっと前からか……」
「<祈りナフラ>……?」
「ディアナフラ=エンディル。教団の現・大司教。あいつの先祖がルナだ」
「えっ!?」
 簡単に聞くと、エンディル家は代々大司教を勤めている家系で、ルナさんは教団創設時の大司教補佐だったらしい。どうやらノストさんに内緒で、独自に「ルナさん」を探していたみたい。多分、ナフラさんはノストさんの部屋にやってきたエメラルドグリーンの髪の女性で、アテル君のお母さんだ!
 そして、永久空位シャンティエが空位ではなく、大聖堂最奥に実在することを知らされるのは大司教になってから。もしかしたらアテル君もそうなってたのかも。アテル君とノストさんが出会うこともあったのかもしれない……。

 諸々理解したノストさんは、一呼吸置いて言った。
「……ナフラが敷いた、お前をあぶり出すための罠だ」
「はい。なんとなくわかってました。きっと、私を探しているっていうのは」
 私が言うと、ノストさんは沈黙した。なんとなく驚いているような気がした。
 わずかな間の後、彼は聞いた。
「……千年前を知ってどうする。今のお前には関係ねぇ『他人』の話だ」
 ……「今の私」と強調する裏には、千年前の私が垣間見える。
 私がもし千年前のことをすべて知ったとしても、千年前の私にはなれない。『彼女』が何を考え、何を思って駆け抜けたかは、私にはわからない。
 そして、『彼女』のことだけを忘れ、千年生きてしまったノストさんだって、千年前の彼とは違う。
 私も彼も在り方が変わっている。
 「不変」は存在しない。それは世界の理だ。

「お前はあいつ
・・・
じゃねぇ。ルナとあいつ
・・・
が違ったように、お前とあいつ
・・・
も違う」

 ルナさんと「私」。
 私と「私」。
 ……きっと千年前の「私」は、ルナさんがすごすぎて気後れしていたんだろうな。今の私だって、千年前の「私」は世界を復活させちゃうすごい神様で、萎縮するもん。ルナさんと違って、私自身のはずなのにね。
 だから……気負わなくていい、追いかけなくていい。私は私だって。たぶん、ノストさんはそう言ってる。
 ……厳しいことを言っているようで、優しい。私は、くすっと笑った。
「それ、カノンさんにも言われました。千年前の私のことは、今の私には関係ないことだから好きに生きなさいって。……でも、好きで選んだ結果がこれなんです。どうしても……知りたいことがあったんですよ」
 すっと、星空に手を伸ばした。一番眩しい星に指先で触れると、夢のことを思い出して温かな気持ちになった。
「毎晩のように見る夢があって。今みたいに、誰かと一緒に寝転んで、星を見てる夢。私はその人が大事なんですけど……でも誰なのか思い出せなくて、凄く悲しいんです。夢のその人のことを……名前だけでも、雰囲気だけでも、人づての話だけでも……少しでも知りたかったんです。どうしても」
 たぶん、今の私の原点はそれだ。
 その夢で抱いた気持ちが原動力になって、ここまでやってきた。
 在り方に「不変」はないけれど、心には「不変」はあると思うんだ。
 まっさらな私に、この夢が残されたように。
 ノストさんが、忘れても千年待っていたように。
「この記憶は、千年前の『私』のものかもしれません。でも私は……今の私のために、夢のあの人のことを知りたかったんです」
「………………」
「だって、『思い出せなくて悲しい』気持ちは、今の私のもので……ノストさんに出会えて本当に嬉しいこの気持ちも、私のものですから」
 私の思いは、夜のたゆたう空気に浸透した。
 ……きっとそれは、千年を生きたノストさんも同じだ。
 『思い出せなくて悲しい』から、彼は待つ選択をした。
 彼の部屋にあった顔のない絵画は、私が来てやっと微笑んだのだから。
 そして、私も同じように……その日からあの夢を見なくなった。

「だから、ノストさんも、今の私を見ていてください。ヘナチョコな神様かもしれませんが、世界を見守っていきたいって思ってますから」

  彼はきっと、意識せずとも、私を通して思い出せない『彼女』の面影を探している。
 でも、忘れているものの面影なんてわからないから、答えは出ない。私にだってわからない。
 だから……今の私を見ていてほしい。
 きっと、貴方の「答え」になってみせるから。

 

 ……ところで、何の話をしていたんだっけ?今の私についてだったっけ?えーっと、つまり……、
「えっと……話が長くなっちゃいましたが、今の私は、今の自分のために大聖堂に行って、ちゃんと自分のために喜んだので、行ってよかったって思います!」
 今までの話をまとめながら、わたわた感想を添えた。けど……もっと言い方あったんじゃない!? 『よかったって思います』って私は子供かっ!
 ちょっと恥ずかしくなってきて、私はごまかしに体を起こして笑った。
「ちょ、ちょっと話しすぎましたね。そろそろ焚き火の側に戻りましょうか」
 とにかく言いたいことは言えた気がするし、私は満足した!
 と思ったら。
 「ぅぎゅえっ!?」
 ぐいっとマントの紐が後ろに引っ張られて、私は仰向けに倒れて咳き込んだ。あ、アヒルみたいな声出しちゃった……!恥ずかしっ!!
 キッと隣の犯人を睨む。ノストさんが私のマントのフードを思いっきり引っ張ったんだ!
「い、いきなり何するんですかっ!暴力反対です!紐が切れちゃうじゃないですかっ!?」
「起きていいとは言ってねぇ」
「星を見ようって誘ったの私なんですけど?!」
「客は俺だ」
「態度でかくないですかお客さんっ!?」
 くだらないやりとりが、なんだか変な感じのような、とても馴染んでいるような。
 ノストさんは息を吐いた。何処となく呆れたような……でも嫌じゃなさそうな。そんな気がした。
「お前は……」
「な……なんですか?えっと、きっとあれですよね、馬鹿だって言うつもりですよねっ?」
 こんなやりとりでしっくり来てたのは、ノストさんも一緒だったのかもしれない。なんだか照れ臭くなって、私は先に冗談を言った。
 すると、ノストさんはすかさずそれを拾い上げる。
「神は人には救えねぇ。諦めろ」
「なんかかっこよくいい感じに言ってますけど、救いようがない馬鹿ってことですよねっ!? 同じじゃないですか!!」
「事実だからな」
「じ、事実……でも、人じゃなきゃ救えるってことですよ!千年生きててすでに人の括りじゃないと思うノストさんの出番ですっ!!」
「はぁ?馬鹿が神を顎で使えると思うなよ」
「神様は私ですよッ!?」
 夜天の下に、賑やかな声が響く。……主に私の。
 まったくもー、ノストさんってほんと意地悪だなー。これに太刀打ちできてる……できてるかな?私もなかなかだよね!いつかノストさんに、にっが〜い顔させてやるぞっ!
 そう思ったら自然と笑みが浮かんで、私は隣のノストさんに話しかけた。
「ノストさん、明日もいい旅日和になると良いですね!」
「……そうだな」
 彼は一言答えてくれて、私はもっと笑った。

 

 ——未来の話をしよう。
 たくさんの「これから」を、貴方と過ごしていこう。
 私たちの旅は、始まったばかりなのだから。